グルテンフリーについて

食物アレルギー

食物アレルギーの原因はその食べ物を消化・分解・吸収する胃腸の機能不全にあるといわれています。

なので、アレルギーの治すために、胃腸の機能を整えることはとても重要になってきます。

リーキーガット症候群

リーキーガットとは、漏れるという意味のリーキーと腸という意味のガットの二つの語句で作られた言葉で、日本語では腸もれとも表現されたりします。

腸の表面の構造をテニスのラケットに例えると、健康であれば、ガットは基盤の目のように規則正しく並んでいます。

腸の細胞と細胞は健康な状態であれば細胞同士がしっかり繋がり、口を通して体に入ってきたものをそう簡単には体内に取り込まないように守っています。

口から食道、胃、腸、肛門は全て繋がっており、1本の管のような状態になっています。

口から入ってくる外部からのあらゆるものがここを通ります。

あらゆるものに直接触れてしまう器官ともいえます。

そのため、消化器官には腸内細菌をはじめ様々な菌、ウイルスや毒素、異物が存在しています。

胃や腸はこうした外部の体にとってはよくないものが体の中に入り込むのを防ぎながら、体に有益な栄養素を取り込んでいます。

リーキーガットを起こすとこの細胞と細胞のしっかりとしたつなぎ目が緩み、隙間ができて穴が開いたようになり、腸の中にある食べ物、菌、毒素などあらゆるものがそのまま血管の中に漏れ出てしまい、体の中を回ることになります。

本来は入り込んではいけないものが血液中に入ってきてしまうので、体のあちらこちらで不調が現れる原因といわれてます。

このリーキーガットを引き起こす原因の一つに小麦のグルテンが深く関わっていることが2010年にメリーランド大学ファサーの教授研究チームにより報告されています。

小麦のグルテンの元となるグリアジンというタンパク質が、腸に入ってくると、ゾヌリンという物質の分泌を促進します。

このゾヌリンにより腸の細胞同士のつなぎ目を緩めてしまう作用が働きます。

慢性的に小麦を摂取していくと、ゾヌリンの分泌が過剰に活性化してしまい、さらにバリア機能である細胞同士の繋がりが緩められていってしまい、腸の中にあるあらゆるものが血管に漏れ出てしまいます。

小麦そのものにはアレルギー反応がないと感じている人でも、グルテンフリーの食習慣を一定期間してみて、体調がよくなるようであれば、小麦のグルテンによりリーキーガットを引き起こしている可能性があります。

リーキーブレイン(脳)の心配もあります。腸と同様のフィルター機能が、脳の入り口にある血液脳関門といわれているところです。このフィルター機能が、腸の炎症によって出てくる上皮細胞の結合を緩める物質(リーキーガットを引き起こす物質)が血液を介して破壊されやすくなるということもわかってきています。

セリアック病

小麦に関連した腸管疾患とみなされています。

小麦などのグルテンが引き金となり、自分自身の組織である小腸を攻撃してしまう自己免疫疾患といわれています。

少量であっても小麦グルテンに反応する人は、人口の1%いるといわれています。

人によっては、小腸に炎症を起こして体の自由が奪われるほどの腹痛や下痢が発生したりします。

進行すると体重が減り、必要な栄養素が吸収できずに栄養失調になってしまいます。

小麦に含まれるタンパク質は色んな種類が存在しますが、中でもαグリアジンによって免疫反応が引き起こされるといわれています。

セリアック病の患者の発生率は、近年の検査方法の向上により、近親者で4.5%、腸疾患の兆候があるひとは17%にも増えてきています。

小麦による他の様々な反応

セリアック病以外では、αアミラーゼ、グリセルアルデヒド−3-リン酸デヒドロゲナーゼなど、10種類以上の非グルテンタンパク質に対するアレルギー反応や急性アレルギー反応があります。

敏感な人が摂取すると、喘息、発疹(アトピー性皮膚炎やじんましん)、小麦依存性運動誘発性アナフィキラシー(WDEIA)という危険な症状も起きています。

WDEIAでは運動中に発疹、ぜんそく、過敏症が現れます。

小麦依存性の場合にはω-グリアジンとグルテニンが原因といわれています。

 

小麦の残留農薬問題

小麦は遺伝子組み換えされた栽培作物で同時に使用されるグリホサートなどの農薬の残留による人体や試料として食べている牛・豚・鶏などへの影響も色々わかってきています。

このグリホサートの残留基準値は世界では人体や様々な生き物への健康被害の影響があるため使用が禁止の方向へ向かっています。

ですが、日本においては、2017年このグリホサートの作物の残留基準値が緩和されてしまいました。

小麦においては変更前は5ppmであったのが、30ppmにまで増えています。

小麦を収穫するときに収穫前散布としてグリホサートを使用するためです(プレハーベスト)。収穫前散布なので、ほぼそのまま残留します。

収穫前に散布すると、雑草を枯らして収穫を楽にしたり、小麦に浸透していき、小麦が早く乾燥して、しかも殺菌効果もあるため、輸送中のカビなどの被害が軽減されるということです。

輸入の小麦にはこの農薬の使用が認めれており、この小麦が使われた加工食品であるパンなどからもこのグリホサートが検出されています。

グリホサートによる発がん性の報告もあります。

トリプトファン、フェニルアラニン、チロシンの芳香族アミノ酸の生合成経路の初期過程に位置するシキミ酸経路中の5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素(EPSPS)を標的酵素として特異的に結合して、その活性を阻害します。

植物の中のEPSPS酵素阻害により、短時間で植物を枯らせてしまう作用があります。

このEPSPSは芳香族アミノ酸、ビタミン、および多くの生合成に関与しているため、植物の生育に必須の様々な物質が合成されなくなります。

このアミノ酸の生合成を阻害することにより、結果としてタンパク質合成も妨げられます。

この芳香族アミノ酸合成経路(シキミ酸経路)は一部の微生物にもあります。

土壌中の微生物はもちろん、人や動物の腸内に住む善玉菌にはこのシキミ酸経路を持つものがあります。

そのため、散布により流れ落ちた土壌中の微生物、資料や食品に残留しているグリホサートによりダメージを受けることがわかってきています。

微生物の減少してしまった土壌では植物の病原菌や病害虫が発生しやすくなったりしています。

腸内においては、善玉菌はこのグリホサートによりダメージを受けてしまいますが、影響を受けない微生物もいます。

それは大腸菌、サルモネラ菌、ボツリヌス菌という、いわゆる増えてくるとよくない作用が働いてしまう悪玉菌といわれている菌です。

腸内に置ける微生物のバランスは私たちの健康状態に深く関与していることが明らかになってきていますが、グリホサートによりこの良いバランスが崩れてしまうことによる健康被害が非常に懸念されています。

グルテンが原因で引き起こされる症状

  • 便秘・下痢・腹痛(過敏な腸の症状)
  • 片頭痛
  • 関節炎
  • おならが臭い
  • 乾燥肌・肌の痒み・発疹
  • アトピー性皮膚炎
  • 神経障害
  • 生理が重い
  • 気分が落ち込む・イライラする
  • 睡眠が浅い
  • 不妊
  • 低身長(子どもの場合)
  • 慢性疲労
  • 認知症
  • 失禁

など

病院にいくほどでなくても、なんとなく体調が優れないといった状況になっていませんか?

集中力が続かない、やる気が出ない、鬱、ADHDといった疾患も

エクソルフィン

グルテンが分解してできるポリペプチドは、血液と脳を隔てる血液脳関門というバリアを通過する特殊な性質を持っていることが明らかになってきています。

脳に入り込んで小麦ペプチドは脳のモルヒネ受容体と結び付くというのです。

そのため、ジオドロ博士らの研究グループはこのポリペプチドをエクソルフィンと名付けています。

このエクソルフィンが脳と結合することを阻止する薬を、統合失調症患者32人に処置したところ、幻聴症状が減ったことが明らかになったということです。

ただ、この調査では小麦を食べていて除去食にしたら改善したという調査ではないのでそこの関連性はまだ明らかにはなっていません。

自閉症の子どもたち55人の自閉症的行動を計測した臨床試験がデンマークで行われました。それによると、グルテン除去により改善が見られています(同時に乳製品からカゼイン除去も実施)。

小麦によりこれらの障害の症状悪化とは関連があるようです。

食後高血糖・血糖値乱高下

血液中のブドウ糖の濃度のことを血糖値といいます。

炭水化物などが消化吸収されるとブドウ糖となり、腸から吸収されて血液に入り、全身に運ばれてます。

血液中のブドウ糖は、膵臓から出されるインスリンというホルモンの働きによって肝臓や筋肉などの組織に取り込まれます。

この結果、血糖値は下がり、組織の中でブドウ糖はエネルギーとして利用されます。

摂取カロリーが消費カロリーよりも多いと痩せないことは知られていますが、血糖値の急上昇も痩せにくさに繋がります。

取り込まれた組織の中でエネルギーとして使い切れなかったブドウ糖は中性脂肪として蓄えられます。

インスリンは血糖値が上がると分泌され血糖値を下げようと働きますが、同時にブドウ糖が中性脂肪へと合成されるのを促す働きもします。

全粒粉の小麦のパンの血糖インデックスは72といわれ、砂糖(スクロース)の血糖インデックス59からわかるように、数値が大きい小麦がより血糖値を上げやすい食べ物であるということです。

糖尿病傾向の患者さんが、小麦を使った食品を血糖インデックスの低い自然食品に置き換える食生活を3ヶ月した後血液検査を行ったところ、糖尿病の範囲(126mg/dl以上)から正常値にまで下がっていた。

患者の多くは10キロから15キロも体重が減り、なかには20キロも落としたものもいたそうです。

小麦の炭水化物(糖質)は複合糖質といわれています。

単糖であるブドウ糖が連結した鎖構造の高分子化合物だということです(スクロースはブドウ糖と果糖を合わせた2糖の分子です)。

小麦に含まれる複合糖質の75%はブドウ糖の分子が枝分かれしながらつながったアミロペクチン、25%はブドウ糖が直鎖状につながったアミロースです。

アミロースは消化効率が悪いといわれていますが、このアミロペクチンは分解され急速にブドウ糖になり、血流に吸収されるといわれています。

そのため、血糖値上昇効果の主な原因といわれています。

骨粗鬆

人の体は正常であればpH7.4に保たれています。

pHが酸性に傾くと、体はバランスを取り戻すために反応をおこして、骨に含まれる炭酸カルシウムやリン酸カルシウムのようなアルカリ性のカルシウム塩まで、アルカリを吸収してバランスを保とうとします。

正常なpHが最優先で重要なため、骨の健康を犠牲にさえするのです。

穀物は他の植物由来の食品と異なり唯一の酸性の副産物を生成するため酸性食品といわれています。

その中でも小麦は硫酸を生成する生産量が非常に高く、酸性食品と言われているお肉よりも硫酸精製量が多いといわれています。

トロントの大学の研究で、パンのグルテンの摂取量増加に伴う尿中のカルシウム喪失量が調査されました。

グルテン摂取すると、尿中のカルシウム喪失量は63%に達し、骨吸収マーカー、骨を弱らせて骨粗鬆症などの骨の病気に繋がる血液マーカーも増大したそうです。

酸負荷を中和するアルカリ性食品である野菜・果物を大量に食べたほうが良いでしょう。

小麦のパンだけ、または小麦パンとお肉とだけ合わせる食事は危険だということですね。

過敏性腸症候群(IBS)

胃酸逆流

セリアック病の軽度の症状であり、発症しているのに、十分に理解されていない病気だそうです。

主な症状は腹痛、下痢、軟便と交互に起こる便秘などで、定義によって人口の5〜20%が発症しているそうです。

小麦抜きの食生活で症状が改善するということです。

胃酸逆流は胃酸が食道を逆流する現象です。

原因は胃の外に胃酸を出さないようにする弁の役目をしている胃食道の輪状の筋肉の括約筋が緩んだためといわれています。

食道に逆流してしまうと胸焼けが起こり、喉に苦味を感じます。小麦抜きの食生活で胃酸逆流が治るそうです。

グルテンを除去する食事法で症状が完全に消えたりしますが、再び摂取するとこのアレルギー症状は一気に戻ってくるともいわれています。一生のお付き合いになるのだそうです。

他にも小麦を食べることによる血糖値の上昇による影響で、動脈硬化、認知症、白内障が誘発されやすくなったり、糖尿病になりやすく、これが原因で様々な合併症へも発症率が上昇するなど、様々な影響が明らかになってきています。

グルテンフリー生活のはじめかた、日本食中心・お米中心へ、米粉など置き換え食、炎症を抑える食べ方、腸内環境の整えかた、リーキーガットを予防するにはなど、本講座の方で詳しく学ぶことができます。